「うちの子がもうすぐ18歳になるけれど、児童扶養手当はいつまで受けられるの?」そんな不安を抱えていませんか?母子家庭にとって児童扶養手当は大切な収入源の一つです。お子さんが成長するにつれて、手当がいつまで続くのか、終了後はどうすればよいのか心配になりますよね。この記事では、母子家庭が受けられる手当の年齢制限について詳しく解説いたします。
- 児童扶養手当は何歳まで受給できるのか(18歳・20歳の条件)
- 誕生月による支給終了時期の違い
- 年齢別に受けられる母子家庭向け手当一覧
- 手当終了前に準備しておくべきこと
- 手当終了後も利用できる支援制度
児童扶養手当は何歳まで受けられるのか
児童扶養手当の年齢制限について、正確な情報を知っておくことは家計管理において非常に重要です。「高校卒業と同時に手当が止まるの?」「障害があるうちの子はどうなるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。ここでは、児童扶養手当の具体的な年齢制限と、お子さんの状況に応じた受給期間について詳しくご説明いたします。基本的なルールを理解して、将来の生活設計に役立ててくださいね。
基本は18歳になった年の3月31日まで受給できます
児童扶養手当の基本的なルールとして、お子さんが「18歳に達する日以後の最初の3月31日まで」受給することができます。これは少し分かりにくい表現ですが、簡単に言うとお子さんが高校3年生の3月31日まで手当が支給されるということです。例えば、4月生まれのお子さんなら高校2年生の4月に18歳になりますが、翌年の3月31日(高校3年生の卒業時期)まで手当を受け取ることができます。
重要なポイントは、実際に高校に通っているかどうかは関係ないということです。仮にお子さんが高校を中退していたとしても、年齢が18歳に達した年の3月31日までは手当の受給対象となります。逆に、浪人や留年で高校を卒業していなくても、18歳になった年の3月31日で手当は終了してしまいます。年齢が基準となっているため、学校の在籍状況に左右されないのが特徴です。
障害があるお子さんは20歳未満まで延長されます
政令で定める程度の障害の状態にあるお子さんについては、20歳未満まで児童扶養手当の受給期間が延長されます。この制度は、障害のあるお子さんを育てる母子家庭の経済的負担を軽減するために設けられています。対象となる障害の程度は、身体障害者手帳1級から3級程度、療育手帳A判定程度、精神障害者保健福祉手帳1級から2級程度が目安となります。
この延長制度を利用するためには、18歳到達後に改めて手続きが必要になります。お住まいの市区町村の窓口で、お子さんの障害の状態を証明する書類を提出し、継続的な受給が可能かどうか審査を受けることになります。手続きを忘れてしまうと手当が停止してしまう可能性があるため、お子さんが17歳になったら早めに市区町村の担当窓口に相談されることをおすすめします。
具体的な支給終了日の計算方法
手当の支給終了日を正確に把握するために、お子さんの誕生日別に具体例をご紹介します。4月1日生まれのお子さんの場合、高校2年生の4月1日に18歳になりますが、手当は翌年の3月31日まで受給できます。つまり、18歳になってからさらに約1年間手当を受け取ることができるのです。一方、3月31日生まれのお子さんは高校3年生の3月31日に18歳になり、その日が手当の最終支給日となります。
児童扶養手当は年6回、奇数月(1月、3月、5月、7月、9月、11月)に支給されます。そのため、お子さんの誕生月によって最後に受け取る手当の月が変わってきます。例えば、3月生まれのお子さんなら3月分の手当が最後になりますが、4月生まれのお子さんなら翌年の3月分まで受給できるため、受給期間に大きな差が生まれることを理解しておきましょう。
年齢別:母子家庭が受けられる手当一覧
母子家庭が受けられる手当は児童扶養手当だけではありません。お子さんの年齢によって受給できる手当の種類や金額が変わるため、それぞれの制度を正しく理解しておくことが大切です。「児童手当と児童扶養手当は同時に受けられるの?」「高校生になったら手当はどう変わるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。ここでは、お子さんの年齢段階ごとに受けられる手当制度を整理して、効率的な受給方法をご紹介いたします。
0歳から中学卒業まで:児童手当との併用パターン
0歳から中学校卒業までの期間は、児童手当と児童扶養手当の両方を受給することが可能です。児童手当は全ての家庭が対象となる普遍的な制度で、児童扶養手当は母子家庭などひとり親家庭に特化した制度となっています。これらは別々の制度なので、両方の受給要件を満たしていれば同時に受け取ることができます。ただし、それぞれに所得制限があるため、お母さんの収入によっては一部または全部が支給停止になる場合があります。
- 両方受給できれば月収が大幅にアップ
- それぞれ異なる支給月なので家計管理がしやすい
- 児童手当は中学卒業まで、児童扶養手当は高校卒業まで継続
0~3歳未満:月額15,000円
0歳から3歳未満のお子さんについては、児童手当として月額15,000円が支給されます。これは第1子、第2子、第3子以降に関係なく一律の金額です。児童扶養手当については、お母さんの所得に応じて全部支給(月額45,500円)から一部支給(月額10,740円~45,490円)まで幅があります。所得制限に該当しなければ、児童手当15,000円と児童扶養手当を合わせて月額6万円以上の手当を受け取ることが可能になります。この時期は特に育児にお金がかかる時期でもあるため、両方の手当をしっかりと活用していきましょう。
3歳~小学校卒業:第1子・第2子は月額10,000円
3歳から小学校卒業までの期間については、児童手当の金額が変わります。第1子・第2子については月額10,000円、第3子以降は月額15,000円の支給となります。この年齢層では、児童扶養手当の金額は変わりませんが、児童手当の金額が下がることで全体の受給額が減少します。しかし、保育園や幼稚園の費用負担軽減制度なども充実してくる時期ですので、手当以外の支援制度も併せて活用することで家計の負担を軽減することができます。
中学生:月額10,000円
中学生の期間は、児童手当として一律月額10,000円が支給されます。第3子以降でも小学生までの15,000円から10,000円に減額されるため注意が必要です。この時期になると、お子さんの学習塾や部活動などで教育費が増加する傾向にあります。児童扶養手当と併せて月額5万円程度の手当収入がある場合が多いですが、高校進学を控えて将来の教育費についても考え始める時期です。中学3年生になったら、高校進学後の家計プランについても早めに検討しておくことをおすすめします。
高校生期間:児童扶養手当が中心となる期間
お子さんが高校生になると、児童手当の受給は中学校卒業と同時に終了し、児童扶養手当が主な手当収入となります。この時期は教育費が最も高額になる時期でもあり、手当収入の減少と支出の増加が重なる厳しい時期と言えるでしょう。高校の授業料支援制度や各種奨学金制度なども積極的に活用して、家計の負担を軽減していく必要があります。
15歳4月~18歳3月:児童扶養手当のみ受給
高校生期間中は児童扶養手当のみの受給となるため、手当収入が大幅に減少します。お母さんの所得によって受給額は変わりますが、全部支給の場合でも月額45,500円程度となります。この金額で高校の教育費や生活費をまかなうのは決して楽ではありません。しかし、高校生のお子さんがアルバイトを始めることで家計を支えてくれる場合もあります。お子さんのアルバイト収入は一定額まで児童扶養手当の所得計算に含まれないため、うまく活用すれば世帯収入を増やすことができます。
この期間の月額支給額シミュレーション
| 所得状況 | 児童1人 | 児童2人 | 児童3人 |
|---|---|---|---|
| 全部支給 | 45,500円 | 56,250円 | 67,000円 |
| 一部支給 | 10,740円~45,490円 | 16,260円~55,980円 | 21,780円~66,470円 |
| 支給停止 | 0円 | 0円 | 0円 |
上記の表は令和6年11月分からの新しい支給額を示しています。お母さんの前年所得が107万円未満の場合は全部支給、107万円から230万円程度の間では一部支給、それを超えると支給停止となります。複数のお子さんがいる場合は加算額も支給されるため、お子さんが多いほど手当額も増加します。ただし、高校卒業とともに上のお子さんの分の手当が終了するため、段階的に手当収入は減少していくことを覚えておきましょう。
地域限定の手当制度と年齢制限
児童扶養手当は国の制度ですが、各自治体が独自に実施している手当制度もあります。これらの制度を活用することで、受給できる手当額を増やすことが可能です。ただし、自治体独自の制度は住んでいる地域によって内容が大きく異なるため、お住まいの市区町村の窓口で詳しい情報を確認することが大切です。
東京都の児童育成手当:18歳の3月31日まで
東京都では独自の制度として「児童育成手当」を実施しています。これは母子家庭や父子家庭に対して支給される手当で、18歳の3月31日まで受給することができます。支給額はお子さん1人につき月額13,500円で、児童扶養手当とは別に受給することが可能です。つまり、東京都にお住まいの母子家庭では、児童扶養手当と児童育成手当を合わせて受け取ることができるため、他の地域と比較して手当収入が多くなります。この制度は東京都内の全ての区市町村で実施されているため、23区だけでなく多摩地域にお住まいの方でも利用できます。
その他自治体の独自手当をチェックする方法
お住まいの自治体で独自の手当制度が実施されているかどうかを確認するには、まず市区町村の公式ウェブサイトをチェックしてみましょう。「ひとり親支援」「子育て支援」「福祉制度」などのページに情報が掲載されていることが多いです。ウェブサイトで見つからない場合は、直接窓口に電話で問い合わせるか、実際に足を運んで相談してみることをおすすめします。窓口の職員さんは様々な制度に詳しいため、あなたの家庭が利用できる制度について総合的にアドバイスしてもらえるでしょう。
最近引っ越しをしたので、新しい自治体でどんな制度があるか分からなくて不安です。
引っ越し後は早めに新しい自治体の窓口で相談することが大切ですね。転居届の際に一緒に確認してもらうのがおすすめです。
「18歳の3月31日」の詳しい仕組みと注意点
児童扶養手当の年齢制限である「18歳の3月31日」という基準は、お子さんの誕生月によって受給期間に大きな差が生まれる仕組みとなっています。「なぜ誕生日ではなく3月31日なの?」「うちの子はいつまで受けられるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。この独特な年齢制限の仕組みを正確に理解しておくことで、手当終了のタイミングを正確に把握し、適切な準備を進めることができます。ここでは具体例を交えながら詳しく解説いたします。
誕生月による手当終了タイミングの違い
お子さんの誕生月によって、18歳になってから手当が終了するまでの期間が大きく異なります。これは学校の年度に合わせた制度設計となっているためです。4月から翌年3月までを一つの年度として考え、その年度内に18歳になったお子さんは、年度末の3月31日まで手当を受給できるという仕組みになっています。この仕組みにより、最大で11か月の受給期間の差が生まれることになります。
4月生まれのお子さんの場合
4月生まれのお子さんは、高校2年生の4月に18歳の誕生日を迎えます。しかし、児童扶養手当は翌年の3月31日(高校3年生の卒業時期)まで継続して受給することができます。つまり、18歳になってから約11か月間も手当を受け取ることができるのです。この期間は高校生活の最後の1年間にあたるため、進路決定や受験勉強など重要な時期に経済的な支援を受けられることになります。4月生まれのお子さんをお持ちのお母さんにとっては、比較的余裕を持って手当終了後の準備を進めることができるでしょう。
3月生まれのお子さんの場合
一方、3月生まれのお子さんは高校3年生の3月に18歳の誕生日を迎え、その月の31日で手当も終了となります。18歳になってすぐに手当が止まってしまうため、4月生まれのお子さんと比較すると約11か月分も受給期間が短くなってしまいます。3月生まれのお子さんをお持ちのお母さんは、手当終了のタイミングが早いため、より早い段階から卒業後の生活設計について考えておく必要があります。高校2年生の頃から将来の収入確保や支出見直しについて具体的に検討し始めることをおすすめします。
高校卒業と手当終了の関係
児童扶養手当の年齢制限は学校の在籍状況とは関係なく、純粋に年齢のみで判定されます。そのため、高校を卒業したかどうか、あるいは高校に在籍しているかどうかは手当の受給に影響しません。この点を正しく理解しておくことで、お子さんの進路に関わらず適切な手当受給ができます。
高校を中退した場合でも18歳の3月まで受給可能
お子さんが何らかの理由で高校を中退した場合でも、年齢が18歳の3月31日に達するまでは児童扶養手当を受給し続けることができます。高校中退は家計にとって心配な出来事ですが、手当は継続して受給できるため、その間にお子さんの新しい進路について考える時間を確保することができます。高校中退後の選択肢として、通信制高校への編入、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の受験、就職などがあります。いずれの道を選ぶ場合でも、お子さんが18歳の3月31日まではしっかりと手当を受け取りながら、次のステップに向けた準備を進めていくことが大切です。
浪人や留年した場合の取り扱い
お子さんが浪人や留年をして高校3年生を超えて在学していても、18歳の3月31日で児童扶養手当は終了します。大学受験に失敗して浪人する場合や、単位不足で留年する場合でも、年齢による区切りは変わりません。この場合、高校に在学中であっても手当は受けられなくなるため、家計への影響が大きくなります。浪人や留年の可能性がある場合は、早めに家計の見直しや収入確保の方法について検討しておくことが重要です。予備校費用や追加の教育費についても、手当収入に頼らない資金調達方法を考えておく必要があります。
- 年齢のみが基準で学校の在籍状況は無関係
- 誕生月によって受給期間に最大11か月の差が生まれる
- 3月生まれは特に早めの準備が必要
手当が止まる前に準備すべきこと
児童扶養手当の終了は母子家庭にとって大きな収入減となるため、事前の準備が非常に重要です。「手当が止まったら生活していけるかしら」「どんな準備をしておけばいいの?」といった不安を抱えている方も多いでしょう。手当終了の影響を最小限に抑えるためには、お子さんが17歳になった段階から具体的な準備を始めることが大切です。収入の確保、支出の見直し、お子さんの進路に応じた経済計画など、様々な角度から準備を進めていきましょう。
17歳になったら始める手当終了準備
お子さんが17歳になったら、手当終了まで約1年から2年の準備期間があります。この期間を有効活用して、手当に依存しない家計構造を作り上げることが重要です。まずは現在の家計収支を詳しく分析し、手当終了後にどの程度の収入不足が生じるかを把握しましょう。その上で、収入増加と支出削減の両方から対策を検討していきます。
まずは家計簿をつけて、毎月の収入と支出を正確に把握しましょう。手当収入がなくなった場合の収支バランスを計算してみてください。
現在の仕事での昇進や転職、資格取得による収入増加、副業の開始など、収入を増やす方法を具体的に検討してみましょう。
固定費の削減や無駄な支出のカットなど、家計のスリム化を図りましょう。特に保険料や通信費、光熱費などの見直しが効果的です。
家計の見直しと収入アップ計画の立て方
家計の見直しでは、まず固定費から手をつけることをおすすめします。携帯電話料金の見直し、保険の見直し、電気・ガス会社の変更などで月に数千円から1万円程度の節約が可能です。食費についても、まとめ買いや冷凍保存の活用、特売日の活用などで無理なく削減できます。一方、収入アップについては、現在の職場での昇進・昇格を目指すか、より条件の良い職場への転職を検討するか、副業を始めるかといった選択肢があります。お母さんの現在のスキルや経験、利用可能な時間などを考慮して、最も現実的な方法を選択することが大切です。
利用できる就労支援制度の確認
母子家庭のお母さんが利用できる就労支援制度は数多くあります。高等職業訓練促進給付金を利用すれば、看護師や保育士などの資格取得中に月額10万円程度の給付金を受け取りながら勉強することができます。自立支援教育訓練給付金では、指定された講座の受講料の一部が支給されるため、パソコンスキルや簿記などの資格取得費用を抑えることができます。これらの制度を活用することで、手当終了後の収入アップにつながる資格やスキルを身につけることが可能です。市区町村の窓口でこれらの制度について詳しく相談してみましょう。
お子さんの進路と経済負担の準備
手当終了の時期はちょうどお子さんの進路決定の時期と重なります。大学進学、専門学校進学、就職など、お子さんの選択によって家計への影響も大きく変わってきます。早い段階からお子さんと将来について話し合い、経済面も含めて現実的な進路選択をサポートしていくことが大切です。
大学進学する場合の奨学金申請タイミング
お子さんが大学進学を希望する場合、奨学金の申請は高校3年生の春から始まります。日本学生支援機構の奨学金申請は高校3年生の4月頃から受付が開始されるため、早めに準備を進めておくことが重要です。給付型奨学金と貸与型奨学金があり、母子家庭の場合は給付型奨学金の対象となる可能性が高いです。給付型奨学金は返済の必要がないため、家計への長期的な負担を軽減できます。申請には前年の所得証明書が必要になるため、必要書類を早めに準備しておきましょう。
就職する場合のサポート制度活用法
お子さんが高校卒業後に就職する場合、お母さんの経済的負担は大幅に軽減されます。お子さんの収入が家計を支えてくれるようになるため、手当終了の影響を最小限に抑えることができるでしょう。就職に向けては、高校の進路指導の先生と密に連携を取りながら、安定した就職先を見つけることが大切です。就職後はお子さんにも家計の一部を負担してもらうことを考えてみてください。ただし、過度な負担をかけすぎないよう、お子さんの将来も考慮した家計分担を話し合うことが重要です。
子どもが大学に行きたいと言っているけれど、経済的に大丈夫か心配です。
奨学金制度をしっかり活用すれば大学進学も可能です。給付型奨学金なら返済の心配もありませんよ。
手当終了後も利用できる母子家庭支援制度
児童扶養手当が終了しても、母子家庭への支援が全て終わるわけではありません。年齢制限のない制度や、お母さん自身を対象とした支援制度など、継続して利用できる制度が数多くあります。「手当が終わったらもう支援は受けられないの?」「どんな制度がまだ使えるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。ここでは、手当終了後も長期的に活用できる支援制度について詳しくご紹介いたします。これらの制度を上手に活用することで、経済的な安定を維持していくことが可能です。
18歳以降も続く経済支援
児童扶養手当以外にも、年齢制限がより緩やかだったり、条件が異なる支援制度があります。これらの制度は児童扶養手当終了後も継続して利用できる場合が多いため、忘れずにチェックしておきましょう。特に医療費や住居費に関する支援は、長期的な家計管理において重要な役割を果たします。
ひとり親家庭等医療費助成の継続条件
ひとり親家庭等医療費助成制度は、児童扶養手当とは異なる年齢制限を設けている自治体が多く、お子さんが18歳を超えても一定期間継続される場合があります。多くの自治体では、お子さんが20歳になるまで、または高校卒業まで医療費助成を受けることができます。この制度により、医療費の自己負担額が軽減されるため、病気やケガの際の経済的負担を抑えることができます。制度の詳細は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。また、お母さん自身の医療費についても助成対象となる場合が多いため、継続して活用していきましょう。
住宅手当や減免制度の年齢制限
住宅手当や家賃減免制度の多くは、児童の年齢ではなくお母さん自身や世帯の所得を基準としているため、児童扶養手当終了後も継続して利用できる場合があります。公営住宅の優先入居制度についても、母子家庭であることが条件となっているため、お子さんが成人した後も一定期間利用可能です。水道料金や下水道料金の減免制度、NHK受信料の免除制度なども所得を基準としているため、継続利用できる可能性があります。これらの制度を活用することで、固定費を大幅に削減できるため、手当終了後の家計管理において重要な支えとなるでしょう。
お母さん自身のキャリアアップ支援
母子家庭のお母さんを対象としたキャリアアップ支援制度は、お子さんの年齢に関係なく利用できるものが多くあります。これらの制度を活用することで、長期的な収入向上を図ることができ、手当に依存しない安定した生活基盤を築くことが可能です。
高等職業訓練促進給付金の活用法
高等職業訓練促進給付金は、看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士などの国家資格取得を目指すお母さんを支援する制度です。修業期間中は月額10万円(住民税課税世帯は7万500円)の給付金を受け取ることができ、修了後には修了支援給付金として5万円(住民税課税世帯は2万5,000円)が支給されます。この制度は児童扶養手当の受給歴があれば利用できるため、お子さんが18歳を超えても活用可能です。看護師や保育士などの資格を取得することで、安定した収入を得られる職業に就くことができ、長期的な経済安定につながります。
自立支援教育訓練給付金で資格取得
自立支援教育訓練給付金は、母子家庭のお母さんが職業能力の向上を図るために受講する教育訓練の費用を助成する制度です。対象講座には簿記、医療事務、介護職員初任者研修、パソコン関連資格など、就職に直結する様々な資格が含まれています。受講料の60%(上限20万円、12,000円以下の場合は全額)が支給されるため、資格取得にかかる経済的負担を大幅に軽減できます。この制度も児童扶養手当の受給歴があれば利用できるため、手当終了後の収入向上対策として積極的に活用していきましょう。
- ひとり親家庭等医療費助成(20歳まで継続の自治体多数)
- 住宅手当・減免制度(所得基準のため継続可能)
- 高等職業訓練促進給付金(資格取得支援)
- 自立支援教育訓練給付金(スキルアップ支援)
複数のお子さんがいる場合の手当管理
複数のお子さんがいる母子家庭では、それぞれのお子さんが異なる時期に18歳を迎えるため、手当の管理がより複雑になります。「上の子の手当が終わったら、どのくらい収入が減るの?」「下の子がまだ小さいうちに上の子の手当が終了するけれど大丈夫?」といった不安を抱えている方も多いでしょう。段階的に手当収入が減少していくため、長期的な視点での家計管理が非常に重要になります。ここでは、複数のお子さんがいる場合の手当変化パターンと、効果的な対応策について詳しく解説いたします。
上の子の手当が終了したときの支給額変化
複数のお子さんがいる場合、上のお子さんが18歳の3月31日を迎えると、その子の分の手当が終了します。児童扶養手当では、1人目のお子さんには基本額が支給され、2人目以降には加算額が支給される仕組みとなっています。そのため、上のお子さんの手当が終了すると、下のお子さんが基本額の対象となり、手当額の変化が生じます。
| 子どもの状況 | 受給前 | 上の子18歳到達後 | 減額 |
|---|---|---|---|
| 2人(18歳、15歳) | 56,250円 | 45,500円 | -10,750円 |
| 3人(18歳、15歳、12歳) | 67,000円 | 56,250円 | -10,750円 |
| 3人(18歳、15歳、3歳) | 67,000円 | 56,250円 | -10,750円 |
上記の表からわかるように、上のお子さんの手当終了により月額10,750円の減収となります。この減額は決して小さな金額ではないため、事前に家計の調整を行っておくことが重要です。特に上のお子さんが大学進学する場合は、手当減額と教育費増額のダブルパンチとなるため、早めの準備が必要になります。奨学金の確保や教育ローンの検討、お母さんの収入アップなど、様々な対策を組み合わせて対応していきましょう。
下の子が18歳になるまでの長期プラン
複数のお子さんがいる場合、一番下のお子さんが18歳になるまでの期間は10年以上に及ぶことも珍しくありません。この長期間にわたって安定した家計管理を行うためには、段階的な収入変化を見据えた計画的な家計運営が必要です。お子さんの年齢差によって異なりますが、3歳差であれば3年ごとに手当収入が段階的に減少していくことになります。
長期プランを立てる際は、各段階での収入変化だけでなく、お子さんたちの教育費の変化も考慮する必要があります。中学受験、高校受験、大学受験の時期が重なる場合は、教育費が集中的に発生する可能性があります。一方、上のお子さんが社会人になれば家計を支えてくれる存在になる場合もあります。これらの要素を総合的に考慮して、無理のない長期的な家計プランを作成することが大切です。定期的にプランの見直しを行い、状況の変化に応じて柔軟に調整していきましょう。
上の子が大学生、下の子が中学生で、家計管理が大変です。
この時期が一番大変ですが、上のお子さんがアルバイトで家計を支えてくれることもありますよ。無理をしすぎず、利用できる制度は全て活用しましょう。
手続きを忘れると受給停止になるケース
児童扶養手当の受給を継続するためには、定期的な手続きが必要です。「現況届って何?」「手続きを忘れたらどうなるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。手続きを忘れてしまうと手当が停止されてしまうため、各種手続きの内容とタイミングを正確に把握しておくことが非常に重要です。ここでは、手当の継続受給に必要な手続きと、手続きを忘れた場合の対処法について詳しく解説いたします。適切な手続きを行うことで、安心して手当を受給し続けることができます。
毎年8月の現況届を提出し忘れた場合
児童扶養手当の受給を継続するためには、毎年8月に「現況届」を提出する必要があります。この現況届は、前年の所得状況や現在の家族構成、就労状況などを市区町村に報告するための重要な書類です。現況届の提出を忘れてしまうと、11月分から手当の支給が停止されてしまいます。支給停止になってしまった場合でも、必要な手続きを行えば受給を再開することができますが、停止期間中の手当は基本的に支給されません。
現況届の提出期限は通常8月31日となっており、この期限を過ぎると支給停止の手続きが開始されます。もし提出を忘れてしまった場合は、できるだけ早く市区町村の窓口に相談に行きましょう。提出が遅れた理由によっては、遡って手当を受給できる場合もあります。現況届には所得証明書や住民票など、複数の書類を添付する必要があるため、7月頃から準備を始めることをおすすめします。書類の準備に時間がかかる場合は、早めに窓口で相談して必要書類を確認しておきましょう。
5年・7年ルールによる減額を避ける方法
児童扶養手当には「5年・7年ルール」と呼ばれる制度があり、一定期間経過後に手当額が半額に減額される場合があります。具体的には、支給開始から5年経過時点、または離婚等の支給要件発生から7年経過時点のうち、早い方で減額対象となります。ただし、就業していることなどの適用除外事由に該当する場合は、減額を避けることができます。
就業証明書の準備と提出タイミング
5年・7年ルールによる減額を避けるためには、就業していることを証明する書類の提出が必要です。会社員の場合は勤務先から発行される就業証明書、自営業の場合は確定申告書の控えなどが必要になります。該当する時期が近づくと、市区町村から案内の通知が送られてくるため、通知が届いたら速やかに必要書類を準備して提出しましょう。
就業証明書には、勤務先の名称、勤務期間、労働時間、職務内容などが記載されている必要があります。パートタイムやアルバイトでも就業していることには変わりないため、週20時間以上の勤務があれば減額対象から除外されます。また、求職活動を行っている場合や、病気などで働けない事情がある場合も、適切な書類を提出することで減額を避けることができる場合があります。該当する方は、市区町村の窓口で詳しい手続きについて相談してみてください。
よくある質問と回答
- 児童扶養手当は高校卒業と同時に終了しますか?
-
高校卒業のタイミングではなく、お子さんが18歳に達した年の3月31日で終了します。そのため、高校を卒業していなくても18歳の3月31日で手当は終了し、逆に早期卒業した場合でも3月31日までは受給できます。
- 障害のある子どもの場合、20歳まで本当に受給できますか?
-
政令で定める程度の障害がある場合は20歳未満まで受給可能ですが、18歳到達後は改めて手続きが必要です。障害の程度を証明する書類を提出し、継続受給の審査を受ける必要があります。
- 現況届を出し忘れたら手当はもらえなくなりますか?
-
現況届の提出を忘れると11月分から支給停止になりますが、後から提出すれば受給を再開できます。ただし、停止期間中の手当は基本的に支給されないため、忘れずに8月中に提出することが重要です。
- 複数の子どもがいる場合、上の子の手当が終わると下の子の金額も変わりますか?
-
はい、変わります。上のお子さんの手当が終了すると、下のお子さんが第1子扱いとなり基本額の対象となります。2人目以降の加算額から基本額に変更されるため、実質的には手当額が増額される場合があります。
- 児童手当と児童扶養手当は同時に受給できますか?
-
はい、同時に受給できます。児童手当は中学校卒業まで、児童扶養手当は高校卒業相当年齢まで受給できるため、中学生までの期間は両方を受け取ることが可能です。それぞれ別の制度なので、受給要件を満たしていれば両方申請しましょう。
- 手当終了後も利用できる支援制度はありますか?
-
はい、多くの支援制度が継続利用できます。ひとり親家庭等医療費助成、住宅手当、各種減免制度などは所得を基準としているため、児童扶養手当終了後も利用可能な場合が多いです。お住まいの自治体で確認してみてください。
まとめ:手当終了時期を正しく知り、今から準備を始めましょう
母子家庭の手当は原則18歳の3月31日まで、障害児は20歳未満まで受給できます。誕生月によって受給期間が最大11か月変わるため、終了時期を正確に把握することが大切です。
手当終了は家計に大きな影響を与えますが、早めに準備を始めれば負担を軽減できます。今すぐ以下の行動を取りましょう。
- お子さんの受給終了時期をカレンダーや手帳に明記する
- 17歳になったら家計の見直しと収入確保策を検討
- 利用可能な支援制度を自治体窓口で確認
- 現況届や延長手続きを忘れずに行う
「手当が終わってから慌てる」のではなく、「終わる前から備える」ことが安心への第一歩です。今日からでも行動を始め、お子さんとの暮らしを安定させましょう。
この記事の監修者
石橋雅子(いしはし まさこ)
ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会保険労務士
ひとり親家庭の家計・制度相談歴15年。各自治体の母子家庭支援制度に精通し、年間300件以上の相談に対応。
※本記事は法令や制度の最新情報を基に作成していますが、ご利用の際は必ずお住まいの自治体にご確認ください。
最終更新日:2025年8月4日(令和7年度制度情報を反映)
